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詩2篇

  ぼくたちはいま   君は今、そばにいる 君は今、そばにいる 君は今、そばにいて、黙って本を読んでいる 僕は君がそばにいるのを確かめようと、そっと指先に触れてみる   子どもたちは階下(した)にいる 子どもたちは階下(した)にいる 子どもたちは階下(した)にいて、向かい合って勉強をしている 僕はもめていないか確かめようと、二人にコーヒーを淹れてやる   父は今、隣家(となり)にいる 父は今、隣家(となり)にいる 父は今、隣家(となり)にいて、大音量でテレビを見ている 僕は父がうたた寝をしていないか確かめようと、一升瓶をぶら下げて行く   母と猫は空にいる 母と猫は空にいる 母と猫は空にいて小さな星になっている 僕は母と猫のいる所を確かめようと、遠い夜空を仰ぎ見る   僕は今、ここにいる 僕は今、ここにいる 僕は今、ここにいて、何をしているんだろう          山火事   山が火事だ 谷が火事だ お空があんなに燃えている   山が火事だ 谷が火事だ くらくら火の粉が舞い上がる   母は我が子を抱きしめる 父はこぶしを握ってる 猫はごはんをもらえない   山が火事だ 谷が火事だ お空があんなに燃えている   山が火事だ 谷が火事だ くらくら火の粉が舞い上がる   せいきをひらくげんしのひ よせるにいじおのみこまん   「しんぱいはいりません あのひは かんぜんにせいぎょされています」